発達障害のクレーム対応②(初期対応)
人間関係に苦慮する発達障害にとっては、人対人のクレーム対応はなかなか難しいものだと思います。
今回は、クレーム対応で一番大切な初期対応について、まとめていきます。
クレーム対応で大切な初期対応について
1.まずはお客様の話を聞く
2.分類分けをする
3.意見・要求に対しての対応
4.メモの活用、取り方
1.まずはお客様の話を聞く
まずは、お客様の話をしっかり聞いて、その内容が正当なクレームなのか、不当な要求なのかを判断します。
もちろん、重たい内容だと、その場では判断できませんので、会社としての対応や上司の意見を仰ぐためにも正確な情報を入手し、整理することが大切です。
話を整理するためには、2.の分類分けや4.のメモの取り方が使えます。
2.分類分けをする
お客様の話を4つに分類して整理します。
①事実
何が起こったのかを確認し明確化します。最優先で知るべき事実です。しっかりとヒアリングしましょう。
②不満
何が原因で申し出をしているのか。原因特定と問題解決を図ります。正当な不満であれば、当社の課題解決にもつながる貴重な意見のくみ出しにもなります。
③意見
何を訴えたいのか、どのように感じているのか。傾聴し、感謝や謝罪の対応をします。お客様の気持ちにはこちらも気持ちで対応しましょう。
④要求
何をしてほしいのか。正当な要求であれば良いですが、悪質な場合は、ここで「どうしてくれるのか」などと矢継ぎ早に畳みかけ、回答を迫ってきます。落ち着いて①、②、③の聞き取りに徹しましょう。
3.意見・要求に対しての対応
重要なのは、意見と要求を切り離して回答することです。悪質クレーマーは意見と要望を混ぜて、無理な要求をさも正論のように迫ってきます。
悪質例)一般的にはどうかという誘導尋問→個々で状況が違うので、「確認します」と答える。
悪)今回買ったモノがすぐに壊れたのは、お宅の商品に問題がある!初期不良に間違いない。今までも似たようなクレームがあったんじゃないの?
自分)万全の検査を行っておりますが、前年ながら初期不良は過去にもございました。
悪)じゃあ、やっぱりそうだ!初期不良に決まっている。
自分)それにつきましては、個々の状況を踏まえた上でないと判断できませんので、確認させてください。使用時の状況をおしえてください。
→①の事実確認に戻る
悪)なんだと!この商品が使えなくて恥をかいたんだ!謝罪しろ!
自分)それは誠に申し訳ありません。
悪)謝ったじゃないか。じゃあ、やっぱりそちらが悪いんだね。早く弁償しろ!
自分)お気持ちに対して、意見として受け止めさせていただき、謝罪させていただきました。商品の対応につきましては、個々の状況をを踏まえてでないと判断ができません。申し訳ございません。使用されようとしたのは何時ごろでしたか。
→意見と要求を分けて対応。①の事実確認に戻る
事実確認に戻るのは、悪質なクレーマーは事実が嘘であったり、大げさに言っている事が多いためです。当の本人も矛盾が出てくるのが分かるため、結論を急がせようとしたり、その場で要求の回答を引き出そうとしてくるためです。
4.メモの活用、取り方
悪質なクレーマーや、怒りの感情があらわになった方のお話しは、頭の中では整理できません。その時に大切なのがメモです。
事実を紙に起こして、整理することで、正しいクレームなのか、不当な要求なのか、その場での対応や、会社の判断の材料として活用することができます。
よくあるのが、過去の事例を織り交ぜて話すことです。「前もこんな不快なことがあったんだ、お宅の会社はどうなってるんだ」など、今回のクレームとは関係ないことで攻めてくることも多いです。
紙を4分割や6分割などに分けて、時系列毎に事実を記載することで頭の中が整理されます。また、会社としての判断を仰ぐためにも、情報は細かく記載することが大切です。
まとめ
クレーム対応で最も大切なのは、初期対応です。
事実をしっかり確認し、不満や意見に対しては、しっかり傾聴し、謝罪や感謝をしましょう。そして、要求には、焦らず、頑として会社としての対応をとる事を心掛けましょう。
悪質な不当要求には、意見と要求をしっかり分けて回答することが必要です。